2016年12月14日

お米の安売りセールを読む

知り合いの米農家さんから、米穀卸の最大手・神明さんがネット上でお米の安売りセールを行っている、という情報を教えて頂きました。

そこで、元コメ専業農家&関西在住者として、一体どうなっているのか?を考えてみました。

まず、件のキャンペーンサイトはこちらです。

消費者の方には残念ですが、本稿を執筆時点で、全商品売り切れです。

akafujisale.png


ここで対象となっている銘柄米は、以下の5つでした。

・ 【新米】秋田県産あきたこまち
・ 千葉県産コシヒカリ
・ 魚沼産コシヒカリ
・ 【新米】北海道産ゆめぴりか
・ 【新米】山形県産つや姫

何か気づきませんか?
そう、2銘柄のコシヒカリに【新米】の表示がありません!

それから、コシヒカリ以外の銘柄米は、知名度の高い新銘柄と、定番のあきたこまちです。

このことから、まず、一つの仮説が浮かびます。

「神明さんが本当に仕入れすぎて売りたかったのは、古米になった、コシヒカリ2銘柄である」


次に、セールを実施することの効果から、狙いを見てみたいと思います。

安売りセールの目的は、一義的にはもちろん消費者の方に注目を集めて頂くことです。
しかし、日本で最大手の米卸・神明さんが実施したのには、もう一つの目的があるのではないかと思います。

つまり、安く売ったことを、仕入れ先にアピールすることです。
これにより、仕入れ先に対し、安価に仕入れさせるよう、圧力をかける目的があると推測できます。
では、ターゲットとなる銘柄米は何でしょう?

銘柄米の価格指標「関西コメ指数」(KRI)を発表している、大阪堂島商品取引所さんのサイトによると、指標を計算する際に用いる銘柄米は、以下の8銘柄だそうで、それだけで日本のお米の3割を占めるそうです。
・ コシヒカリ: 新潟一般、千葉、茨城、栃木、富山
・ あきたこまち: 秋田
・ ひとめぼれ: 宮城
・ はえぬき: 山形
(参考)

この、実際の流通量から割り出した銘柄と、神明さんのセールの品目を比べてみると、重なっている銘柄は

・ 千葉コシヒカリ
・ 秋田あきたこまち

の2つになります。

神明さんの強みは、徹底した品質管理とブレンド技術により、いつでも安定価格で、安定した品質(食味)のお米を提供することにあります。
同社の主力商品・あかふじ米の強みは、まさにそこです。

セール対象銘柄のうち、魚沼コシヒカリ、山形つや姫、北海道ゆめぴりかは、高級銘柄で値段が高く、同社の主力商品に使用するのは、価格的に困難です。

また、千葉県産コシヒカリは、前年の在庫が残る状況と推測され、仕入れ価格を引き下げるよりは、仕入れ量を減らす方向に向かうとおもわれます。

ただ一つ残ったのは、秋田県産あきたこまちです。

以上から、神明さんのキャンペーンには、もう一つ、こんな目的もあるのではないでしょうか。

「秋田県産あきたこまちを安く買いたい」


以上、神明さんのキャンペーンを深読みしてみましたが、果たして合っているのか・・・
posted by くまのおっさん at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | イネとおコメの話 | 更新情報をチェックする

2015年09月22日

乾燥待ち

先日開始した稲刈りですが、今日はお昼すぎに強制終了となりました。
原因は↓の乾燥機。
image.jpeg

昨日刈った籾の乾燥が終わらず、稲刈りをしても、直後の乾燥作業に移れないのです。
お昼現在、乾燥機3台とも稼働しており、乾燥の残り時間を考慮して本日の稲刈りは午前で打ち切りとしました。

この乾燥機、父が25年ほど前に導入した旧式のもので、最新機種と比べると倍近く乾燥に時間がかかるのです。

導入直後に現在も主流の新技術「遠赤外線乾燥」を使った機種が発表され、父は大層悔しがったとか。

絶好の天気なのに稲刈りができないことに焦りは感じますが、気分的には少しラクでもあります。


と言いつつ、夜の9時半に一台、乾燥が終わりました。明日の朝6時頃にももう一台の乾燥が終わりそうですので、明日は通常通り稲刈りができそうです。


posted by くまのおっさん at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | イネとおコメの話 | 更新情報をチェックする

2015年02月20日

米の食味ランキングについて

日本穀物検定協会という財団法人さんが、毎年、全国の米の食味ランキングを発表しています。
http://www.kokken.or.jp/ranking_area.html

複数産地コシヒカリのブレンド米を基準として、特に良好なものを特A、良好なものをA、ほぼ同等なものをA’として評価したとの事です。
これによると、わが秋田県産(中央地区)あきたこまちの評価はA、となっています。

また、商品に、その評価を掲載することも可能なのだそうです。
ただ、「商品そのものの評価ではありません」との説明書きが必要なのだとか。
なぜかというと、同じ地区で同じ品種を作っていても、生産者、もっと細かく見ると田圃ごとに味が違うからです。

一例を挙げると、お米の場合、一般的には肥料成分の窒素を抑えたほうが、食味が良くなる傾向があります。
一方で、窒素を抑えると収穫量は一般的に減ります。
つまり、全く同じ条件の田圃でも、窒素を多く投入して多収穫を目指す栽培法と窒素を適量に抑えて味を良くする栽培法では、味が全然違うのです。
(実際は、窒素を少なくすればするほど良いというわけではなく、他にも肥料を与えるタイミングや窒素以外の成分が味に与える影響などがありますので、これほど単純ではありませんが・・・)

もう一つこのランキングで注意すべきなのは、おそらく「もちもちして甘く香りが良い、美味しいコシヒカリの味を良好と評価する」という評価基準です。
コシヒカリが好きな方はそれで問題ないのですが、もっとあっさりした、例えば岡山県産朝日や宮城県産ササニシキが好きな方は、このランキングでの特A品種を食べると、がっかりされることと思います。
(ちなみに、この2つの銘柄はA’評価となっています。)

ともあれ、公的機関がこのようなランキングを発表することには意義があると思いますし、農家も励みになることは事実です。

来年こそは、秋田中央地区のあきたこまちが特Aを取れるように。
私も頑張りたいと思います。

posted by くまのおっさん at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | イネとおコメの話 | 更新情報をチェックする