今年も、生徒さんの艱難辛苦を共有すべく、大学入学共通テストを受けてきました。
まずは共通テストになってから変なクセのついた(食パンでいいのに訳のわからん固くて噛みきれない職人コダワリのパンを作るような)数学が、大学入試の一次試験として適切な、思考力を問う試験になっていて安心しました。
次に国語は易しくなりましたが、個人的に大学のゼミの先生の書かれた文章だったので、変なテンションになったとともに、やはり現代文(論理国語)は文章以外のことを気にしてはいかんという原則を思い知らされました。結果は散々でしたが、すごくためになる経験をしました。
社会は地理と世界史を解きましたが、思考力を問う問題でなかなか興味深いものでした。
今の社会、インターネットで検索すれば、かなりマニアックだったりマイナーだったりする情報も、すぐにわかります。
それよりも、情報を元に「考える力」こそが重要になると思うのです。
上記二科目では、そのような意識がひしひしと感じられました。
具体的には、ある人物名と時代だけを覚えているだけでは解けず、その人物がどのような状況にあってどのような業績を残したのか、そしてそれにはどのような背景があったのかなどを総合的に考慮して解く問題が印象に残りました。
理科も物理化学を解きましたが、やはり暗記よりも思考力を試す問題が多かったです。
そのような中、疑問に思ったのが英語のリーディング試験でした。
この試験、文章や設問の難易度はそうでもないのですがやたら量が多く、とてもではありませんが高校生が解くには時間が足りないものでした。
どのくらい難しいかというと、点数の取りやすさでは、英検準一級レベルでした。
文法や語彙では共通テストが易しいものの、時間が足りないため得点のしやすさで大差ないからです。
しかし、考えてみてください。
共通テストは、大学に入るための、しかも一次試験です。その難易度が、短大あるいは大学二年生の英語力の目安とされる英検準一級とほぼ同じなのですよ。
これは、適切なことだとは思えません。
大学入試センターさんは、共通テストの意義をよく考えて、適切な、具体的には高校卒業程度(英検なら二級)の難易度になるように試験の解きやすさを調整すべきです。
高校生が大学に入るための、しかも各大学さんが基礎とする一次試験なのですから。