私はかなり初期の頃からChatGPTを利用している。
当時のChatGPTは、今思えば驚くほど「想像力豊か」だった。例えば、私の故郷である宇和島の名物を尋ねると、実在しない郷土料理をもっともらしく紹介することがあった。文章は流暢で自信に満ちているのだが、内容は事実ではない。現在では「ハルシネーション」と呼ばれる現象である。
しかし当時は、それもまた興味深かった。まるで博識だが少し法螺吹きな友人と会話しているような感覚だったのである。
第一世代 ― 話し相手としてのAI
2022年末から2023年にかけてのChatGPTは、主に文章生成と会話が中心だった。
質問に答え、文章を書き、翻訳を行う。その能力だけでも十分に衝撃的だったが、知識の正確性にはばらつきがあり、専門的な話題では確認が欠かせなかった。
それでも、「人間と自然な文章で会話できる」という事実そのものが革命的だった。
第二世代 ― 頼れる助手への進化
2023年後半から2024年にかけて、状況は大きく変わった。
回答の論理性が向上し、誤情報は減少した。長い文章の要約や校正、プログラミング支援などでも実用性が急速に高まった。
私自身も、英語学習、記事作成、歴史や政治の考察、農業に関する文章作成など、多様な用途で利用するようになった。
この頃になると、単なる話し相手ではなく「仕事を手伝ってくれる助手」と感じられる場面が増えていった。
第三世代 ― 画像を理解し、画像を作るAI
大きな転機の一つが画像機能の登場である。
ChatGPTは写真を見て内容を分析できるようになった。例えば農作業の写真を見せれば、苗の状態や作業内容について考察できる。
さらに画像生成機能も加わった。
記事のタイトル画像、風景画、イラスト、ポスター風デザインなどを文章から生成できるようになり、AIは「文章を書く存在」から「創作を支援する存在」へと変化した。
私も記事のタイトル画像を作成する際に利用するようになり、以前ならデザイナーに依頼するか、自分で時間をかけて作る必要があった作業が、数分で行えるようになった。
動画生成への挑戦 ― SoraとSora2
その流れの先に登場したのがOpenAIの動画生成技術である。
2024年に発表されたSoraは、「文章から動画を作る」という新しい可能性を示した。公開されたデモ映像は世界中で話題となり、多くの人が未来を感じた。
その後、動画生成技術は急速に進化し、後継となるSora2も登場した。
Sora2は映像品質や物理表現、編集機能などが向上し、動画制作の民主化をさらに押し進めた。しかしAI業界の変化は極めて速く、競争激化やサービス再編の波の中で、Sora2はやがて歴史的役割を終えることになった。
振り返れば、SoraとSora2は「AIが静止画から動画へ進出した時代」を象徴する存在だったと言えるだろう。
現在 ― 信頼できる知的パートナー
そして現在のChatGPTは、初期の頃とは別物と言ってよい。
もちろん誤りが完全になくなったわけではない。しかし、回答の根拠を示し、複雑な議論を整理し、多言語で文章を書き、画像を理解し、画像を生成し、さらにはさまざまな外部サービスと連携できるようになった。
私が最初に出会った頃のChatGPTは、時々宇和島に存在しない郷土料理を創作してしまう、少しお調子者の知識人だった。
今のChatGPTは、依然として創造力を持ちながらも、事実確認と論理性を大きく向上させた頼れる助手である。
数年という短い期間で、AIは「面白い実験」から「実際に役立つ道具」へ、そして「知的パートナー」へと進化した。
私はその変化を、利用者として最前列で見てきたのである。
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