2016年11月13日

古民家再生支援という愚策

古民家再生で官民ファンドを作る、という記事が日経に載っていました。

古民家再生で官民ファンド 政府、18年に500億円規模

この政策、地方創生に役立ちそうにも思えますが、私はその効果に懐疑的です。

政府の視点で決定的に間違っているのは「ジブンゴト」「タニンゴト」の視点だと思います。

古民家再生は有志が自分の身銭を切って「ジブンゴト」で実施してこそ盛り上がり、顧客に満足のいくサービスを提供できるのであり、政府の資金を使った古民家再生では、盛り上がりに欠けます。

何より、リスクを背負って「ジブンゴト」で行った古民家再生が、政府の資金を使った大量の「タニンゴト」の古民家再生に埋没してしまうことが問題です。

タニンゴトの古民家再生では改装費を水増し請求する等の問題が、必ず出ます。

それによって古民家再生の評判自体が下がると、「ジブンゴト」で古民家を再生した先駆者の方々は大変迷惑します。

さらに、同じ古民家なら関東・関西近郊が、人を呼ぶのに有利に決まっています。
実際、元記事には「政府が古民家を生かした地方活性化のモデルとみるのが兵庫県篠山市」とあります。
篠山市までは、大阪駅からJR宝塚線の快速一本で行けてしまいます。

これでは、僻地で古民家再生を元に地方活性化に取り組む方々に大打撃となるリスクが大きいといわざるを得ません。

もう一つ、結局は古民家再生も「ハードウェア」への支援であり、その意味では「箱物行政」の思考から全く抜け出していません。

古民家再生は目的ではなく、その再生した古民家をどう活用するかが真の目的です。

作った後どうするか、が重要なのに、とりあえずハコだけ作ってしまう、その結果維持費用の負担に苦しむ・・・どこにでもある光景を、さらに一つ増やすだけであると考えます。

もともと、古民家再生で作るカフェや民宿は、ニッチな市場です。

ニッチ市場を開拓した努力と、古民家再生という市場自体を政府資金で潰してしまう愚策だと、私は考えます。
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2016年10月23日

軍艦島は過疎なのか?

前回見てきたように、どうやら過疎と人口密度は無関係のようです。


次に過疎と関係ありそうだと思われるのは、人口減少率ではないでしょうか。
実際、過疎と人口減少はしばしばセットで扱われます。

そこで、かつて炭鉱で栄え、今では無人島になってしまった長崎県の端島、通称軍艦島に、行ってきました。

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軍艦島という通称の由来は、海から見た島の姿が、旧日本海軍の戦艦「土佐」に似ているからだということです。

この島は最盛期の1960年頃には5000人以上の人が居住しており、人口密度は1平方キロメートル辺り8万人以上と、世界一の人口密度を誇っていました。

それが、わずか14年後の1974年末には、無人の島となってしまいました。

かつての貯水タンク、居住施設も

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かつての作業場も

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現在では、完全な廃墟です。

人口減少率でいえば、間違いなく日本、いや世界トップクラスの高さを誇っています。

しかしながら、軍艦島が過疎だという話は聞いたことがありません。

軍艦島上陸クルーズがあって多くの人が訪れているから、というのも理由にならないでしょう。
なにしろ、この島に人は住んでいないですし、島での経済活動もゼロだからです。

このように、極端な例ではありますが、人口減少率が高いからといって過疎だというのも、どうやら違うようです。


であるとすれば、本当に過疎って何なんでしょう。
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2016年10月04日

だんだん

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愛媛県南部 宇和島市遊子地域には、「瀬戸の花嫁」で有名になった段々畑が、今も綺麗に残っています。

私が訪問した時は平日だったこともあり、人はまばらでした。

作物もまだ小さく、写真では確認できませんが、イモを作付けしているそうです。

ところで、なぜこれが段々畑と呼ばれているか、ご存知ですか?
ただ段々になっているから、だけなのでしょうか?

中四国の古い方言に、「だんだん」という言葉があります。

「ありがとう」の意味です。

段々畑という呼称には、山の頂上まで開墾してくれた先人達への「だんだん」という感謝の気持ちもまた、込められて



・・・いたら良かったのですが、残念ながら段々畑と「だんだん」が似ているのは偶然です。

ちなみに地元では段畑(だんばた)と言い、段々畑とは言いません。

世の中、そんなに巧い話ばかりではありません。


posted by くまのおっさん at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域と地方について | 更新情報をチェックする